ゲーム研修とは?主体性を高めて学びを深める研修形式を解説

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ゲーム研修とは、グループで連携したり協力したりすることができる体験型ゲームを活用する研修形式です。体験を通じて理解が深まると同時に、同じグループの受講者とコミュニケーションを取ることで相互理解が深まり、チームビルディングにもつながることが特徴です。

ゲーム研修では、体験型ゲームだけでなく、講義やワークを取り入れて総合的に学びを深めていきます。また、体験型ゲームや講義のなかで振り返りをおこない、受講者の一人ひとりが研修テーマについて深く理解するようにサポートすることも重要です。

本記事では、ゲーム研修の概要と、研修を実施する際の流れやメリット、ポイント・注意点を解説します

 

 

ゲーム研修とは

ゲーム研修は、体験型ゲームを活用した研修形式です。グループで協力したり役割分担をしたりして取り組む体験型ゲームを取り入れることで、受講者の主体性や理解度を高めたり、チームビルディングにつなげたりすることができます。

体験型ゲームの種類は多岐に渡ります。製品化されているボードゲームやカードゲーム、道具なしでできるコミュニケーションゲーム、頭を使う謎解き・推理ゲームなどが挙げられます。研修テーマに関連する特徴を持つゲームを活用することで、研修で得られる学びが深まります。

ゲーム研修の例「謎解き脱出ゲーム」

ゲーム研修の一例として、謎解き脱出ゲームを活用するコミュニケーション研修を紹介します。

謎解き脱出ゲームは、グループで協力し、論理的思考力や発想力などを発揮してミッションクリアを目指すゲームです。グループでの役割分担や協力が重要となり、制限時間のなかで脱出するために適切なコミュニケーションを取ることが求められます。

コミュニケーション能力は、聞く力・伝える力に分けられます。謎解き脱出ゲームを体験することで、講義やワークをおこなう際の理解が促され、深い学びにつながります。また、実践的な体験を通じて、講義やワークで学んだことをどのように業務で実践すればよいのかも理解することができます。

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ゲーム研修を実施するメリット

ここからは、ゲーム研修を実施することで得られるメリットについて紹介します。

受講者の主体性が高まる

ゲーム研修で受講者がゲーム体験をすることで、好奇心が刺激され、主体性が自然と発揮されるようになります。座学研修では、一人ひとりの受講者が研修に取り組む意欲に差があり、足並みがそろわない場合があります。一方で、ゲーム研修では受講者の主体性を高められるため、全員が意欲的に研修に取り組む状態に近づけることができます。

また、ゲーム研修の効果は、1回の研修に限られません。ゲーム研修を取り入れ、受講者が研修に対して持っている「退屈」、「つまらない」などのネガティブなイメージを払拭することで、次回以降の研修が楽しみになる効果も期待できます。研修に対する受講者の意識が変わることで、行動変容が促され、次回以降の研修効果を高めることにつながります。

研修内容の理解が深まる

ゲームを体験することで得られる気づきや具体的なイメージは、講義の内容を深く理解することにつながります。そのため、研修で扱うテーマと、ゲームで得られる学びを関連付けることで、研修内容を理解しやすくなります。

たとえば、先述した謎解き脱出ゲームであれば、コミュニケーション能力、フォロワーシップ、アサ―ション(アサーティブコミュニケーション)などのスキルを発揮できる場面があるため、研修テーマとして設けることで、受講者が深く理解することにつながります。ゲーム研修を実施する際には、体験型ゲームで求められるスキルに紐づく研修テーマを設定することが大切です。

チームビルディングにつながる

ゲーム研修で扱う体験型ゲームの多くは、グループで楽しくコミュニケーションを取ることができます。たとえば、謎解き脱出ゲームでは、グループ内で役割分担をしたり、解けない謎を協力して解いたりするなかで自然とコミュニケーションが促されます。

チームビルディングとは、心理的安全性が高く、連携して成果に向かえるチームづくりです。チームビルディングを実現するための具体例としては、心理学者のブルース・W・タックマンが提唱したタックマンモデルが挙げられます。タックマンモデルで示されている具体的なプロセスにおける混乱期から統一期に至るには、相互理解を深め、互いの価値観や考え方を尊重できる関係性の構築が不可欠です。

体験型ゲームを通じて、受講者同士の相互理解が促され、チームビルディングにつながります。

ゲーム研修を企画する際の流れ・ポイント

以下では、ゲーム研修を企画する際の流れや各工程におけるポイントを紹介します。

研修をおこなう目的と研修テーマを明確にする

ゲーム研修を実施する際には、まず目的を明確にすることが大切です。たとえば、新入社員研修であれば、「基礎的なコミュニケーション能力の習得」、「ビジネスマナーの習得」、「新入社員の関係性構築」などが挙げられます。目的が明確になることで、目的達成に向けて効果的な研修内容になるように研修設計をおこなうことができます。

また、研修の目的に応じて、研修テーマを設定することも重要です。たとえば、研修の目的が「基礎的なコミュニケーション能力の習得」であれば、研修テーマは「コミュニケーション研修」となります。具体的な研修テーマを設定することで、体験型ゲームの選定につながります。

体験型ゲームを選定する

目的が明確になったら、体験型ゲームの選定をおこないます。研修テーマに関連するスキルや知識が問われるゲームや、グループでコミュニケーションを取りながら一緒に取り組めるゲームを選ぶことが重要です。

【体験型ゲームの例】

  • 謎解き脱出ゲーム
  • コンセンサスゲーム
  • マシュマロチャレンジ

研修プログラムを作成する

研修の目的やテーマ、実施する体験型ゲームが決まったら、研修プログラムを作成します。研修の形式は、半日型(34時間程度)、1日型(68時間程度)、宿泊型(23日程度)などがあります。研修の内容に応じて、必要な時間数を考慮して決定しましょう。

1つの研修テーマで研修を実施する場合には、半日型での実施が可能です。体験型ゲーム(301時間)、講義(12時間程度)、振り返り(1530分程度)を目安として、研修プログラムを作成します。

人員を手配する

研修を実施する際には、講師、体験型ゲームの運営スタッフなどが必要となります。必要な人員を洗い出し、手配しましょう。

講師については、研修会社に依頼して手配してもらう方法や、フリーランスの講師を探して直接的に依頼する方法などがあります。講師の手配にかかる費用の目安は、820万円程度とされています。社内に講師ができる社員がいる場合には、外注せずに研修を実地できる場合もあります。

体験型ゲームの運営スタッフについては、実施する体験型ゲームの種類によって異なります。司会進行は講師がおこなえるため、それ以外に必要な人員を洗い出しましょう。基本的には23グループあたり1名程度が目安となります。

ゲーム研修を実施する際の注意点

以下では、ゲーム研修を実施する際に押さえておきたい注意点を紹介します。

ゲーム研修の開始までに心理的安全性を高める

ゲーム研修を実施する際には、ゲーム体験をする際に、グループ内の受講者が遠慮せずにコミュニケーションを取れる状態にしておくことが重要です。ゲーム体験の前にアイスブレイクを取り入れ、受講者の緊張をほぐしましょう。

アイスブレイクとは、短時間・道具なしでできる簡単なゲームを指します。短時間でできるアイスブレイクについては、下記の記事で詳しく紹介しています。

関連記事:短時間でできるアイスブレイク30選!所要時間ごとに紹介

体験型ゲームの説明をきちんとおこなう

ゲーム研修では、体験型ゲームに対して受講者の全員が正しく理解し、没入して取り組めるようにすることが重要です。ゲームのやり方・進め方はもちろん、注意点なども詳しく説明しましょう。質疑応答の時間を設け、受講者から質問することができるようにすることも大切です。

IKUSAの研修では、年間1,400件以上の社内イベントの運営をおこなうプロが体験型ゲームを盛り上げるため、受講者の全員が没入して取り組むことができます。

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まとめ

ゲーム研修を実施することで、研修の内容を深く理解し、受講者が知識やスキルを習得することを促せます。

IKUSAでは、本格的な謎解きゲームや推理ゲームを取り入れ、受講者が翌日から知識・スキルを業務で活用できるようになる研修サービスを提供しています。お客様の目的や課題に合わせて講義やワークを含めてカスタマイズ可能です。

体験型ゲームを活用した研修の実施については、ぜひIKUSAにご相談ください。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成研修

合意形成研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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