ボードゲームの「プエルトリコ」とは?ルール・研修に活用するポイントを紹介

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研修にボードゲームを取り入れることで、参加者同士の交流促進や、主体性・モチベーションの向上、さらに研修の効果の向上も期待できます。

本記事では、研修に使えるゲームを探している研修担当者様に向けて、「プエルトリコ」というボードゲームを紹介します。「プエルトリコ」とはどのようなゲームなのか、特徴、ルール、研修に活用するメリットと、求められるスキル、研修に活用する際の注意点を、詳しく見ていきましょう。

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ボードゲームの「プエルトリコ」とは

「プエルトリコ」は、2002年に発売されたドイツのボードゲームです。スペインの植民地であった時代のプエルトリコが舞台となっています。プレイヤーは入植者となって、プランテーションを経営したり、建物を建てたりして、島を発展させていきます。戦略性が高く、世界中のボードゲーマーからも高く評価されているゲームの1つです。

「プエルトリコ」の特徴

ボードゲームは、1つのメインボードをプレイヤー全員で囲んで行うゲームが多いのですが、「プエルトリコ」は、一人ひとりに個人ボードが与えられます。その個人ボードが自分の島・都市となるので、そこを発展させていき勝利点を稼ぐというゲームです。

また、多くのボードゲームは、まずプレイヤー同士じゃんけんなどで順番を決め、自分のターンが来たときに決められたアクションを実行します。「プエルトリコ」も同じように進めていくゲームではありますが、順番が回ってきたプレイヤーがアクションを選び、そのアクションを他のプレイヤーも全員実行するというルールになっています。一般的なボードゲームは、自分のターン以外は待ち時間(ダウンタイム)となります。「プエルトリコ」は、自分のターン以外でもアクションを実行するため、待ち時間が短いという特徴があります。

このような仕組みは「ヴァリアブルフェイズオーダー」と呼ばれています。「プエルトリコ」が発売されて以降、多くのゲームにこの仕組みが取り入れられるようになりました。

ボードゲーム「プエルトリコ」のルール

「プエルトリコ」は、これまでにいろいろなバージョンがリリースされていますが、本記事ではそのなかから、メビウスゲームズから発売されている「プエルトリコ20」のルールを簡単に紹介します。

  • プレイ人数:25
  • プレイ時間の目安:70分~120

まずは、ゲームの準備です。各プレイヤーに、自分の島・都市となる個人ボードを配りましょう。その他に必要なコマ、タイル等の数はプレイ人数によって異なりますので、説明書を見ながらセッティングしてください。

ゲームの流れ

ゲームの流れを簡単にまとめると、以下の通りです。

  1. プレイヤーは、自分のターンになったら役割タイル(アクション)を選び、アクションを実行します。役割ごとに特権が決められているので、選んだ人はその特権も獲得します。
  2. 役割タイルを選んだ人がアクションを実行したら、順番に他のプレイヤーもそのアクションを実行していきます(時計回りに)。
  3. 全員がアクションを実行したら、次は1で役割タイルを選んだプレイヤーの左隣りに座っているプレイヤーが、役割タイルを選びます。そして、同じようにアクションを実行し、特権を獲得します。
  4. 同様に、3で選択したアクションを、時計回りで全員が実行していきます。

これを繰り返し、ゲーム終了の条件が達成された時点で、一番勝利点が多いプレイヤーが勝者となります。

役割タイルの種類

「プエルトリコ」は、どのタイミングで、どの役割タイルを選択するかが重要なポイントになります。

役割タイルは、「開拓者」「親方」「建築家」「監督」「商人」「船長」「金鉱堀」の、全部で7種類あります。それぞれがどのような役割なのかについては、メビウスゲームズのホームページで紹介されていますので、詳しく知りたい人はそちらをご覧ください。

オンラインショップ:プエルトリコ20 – メビウスゲームズ オンラインショップ

社内研修にボードゲーム「プエルトリコ」を活用する

ボードゲームの「プエルトリコ」は、社内研修にも活用することができると考えられます。ここでは、ボードゲームを研修に活用するメリット、「プエルトリコ」で求められるスキル、研修に取り入れる際の注意点を解説します。

ボードゲームを研修に活用するメリット

ボードゲームを研修に活用することで、以下のような効果が得られる可能性があります。

メンバー間にコミュニケーションが生まれる

研修で参加者を少人数のグループに分け、グループでボードゲームに取り組んでもらうことで、自然にメンバー間にコミュニケーションが生まれます。ディスカッションやワークなどももちろん有効ですが、あえて仕事に関係ない「ゲーム」をすることで、会話も弾みやすくなります。初対面の人同士、普段あまりかかわることのない人同士も、交流を深められるでしょう。

また、研修が終わったあとも、そのゲームがきっかけで会話が生まれることもあるかもしれません(例:「この前の研修でやったボードゲーム、とても難しかったですよね」など)。

研修にボードゲームを取り入れることで、社内コミュニケーション活性化や社内交流促進につながります。

研修が楽しい時間になる

座って話を聞くだけの研修は、参加者が退屈してしまう可能性があります。集中力も途切れやすいため、学習内容も身につきにくいと考えられます。研修の効果は、参加者自身が何かを「体験」できるプログラムがあったほうが高まりやすくなります。その「体験」が「楽しい」ものだと、さらに高い効果が期待できるでしょう。

また、研修を企画しても「参加者がなかなか集まらない」「消極的で、上司に言われて“仕方なく”参加している感じがある」とお悩みの担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。研修にボードゲームを取り入れ、「研修=楽しい」という印象を与えることができれば、参加者も集まりやすくなるでしょう。

全体のモチベーションが高まる

研修でボードゲームを実施すると、その場全体が盛り上がります。これにより、参加者の研修に対するモチベーションが高まりやすくなるでしょう。逆に、全体的にシーンとしていたり、堅苦しい雰囲気だったりすると、モチベーションも高まりません。モチベーションが低いと、意見や質問を求めてもなかなか出なかったり、狙った効果が得られなかったりします。

研修の効果を高めるためには、参加者のモチベーションを引き出すことも重要なのです。そのためにも、ボードゲームを取り入れるのはおすすめです。

ボードゲーム「プエルトリコ」で求められるスキル

「プレルトリコ」は、以下のようなスキルが試されるボードゲームです。社員にこれらを強化してもらいたいときに、学びのツールとしても活用できるでしょう。

  • 戦略的思考……状況を見ながら、自分が目指す方向性を決めて行動する力。短期的な成果だけでなく、将来を見据えて選択を重ねる。
  • リソース管理能力……限られた人・物・時間といった資源を、効果的に使う力。優先順位を判断しながら、必要な場面にリソースを温存する感覚。
  • 柔軟に対応する力……周囲の動きや状況の変化に合わせて、自分のやり方を見直し、対応を切り替える力。計画通りにいかない場面でも、冷静に次の一手を考える。

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ボードゲーム「プエルトリコ」を研修に取り入れる際の注意点

「プエルトリコ」は研修にもおすすめできるボードゲームですが、取り入れる際には注意すべきこともあります。

まず、「プエルトリコ」はプレイ時間が70分~120分と、結構時間がかかるゲームです。ルールも少し複雑であるため、参加者にしっかり説明する時間も必要になります。ゲームに時間をかけすぎると、メインのプログラム(講義、ワークなど)の時間が短くなってしまいますので、ルールをアレンジするなどして、短時間で実施することをおすすめします。

また、「プエルトリコ」はプレイ経験がある人のほうが有利になりやすいゲームですので、レベルが同じくらいのメンバーが集まるように、グループ分けも工夫が必要です。

そして、お伝えしたように「プエルトリコ」は、植民地時代のプエルトリコが舞台となっています。そのため、「テーマとしてどうなのか」という声も少なくありません。「プエルトリコ20」のルールブックには、Alea(出版社)は今後このようなテーマのゲームは出版しない予定であることと、すべてのプレイヤーに植民地化による損害・影響などを学ぶことを推奨したいということが書かれています。研修の参加者には、そういった歴史的な背景や問題についても伝えることが望ましいでしょう。

無人島を発展させていく他のおすすめボードゲーム

ドイツで生まれた「カタン」も、“入植者になって島を発展させていく”というボードゲームです。研修にボードゲームを取り入れたいと考えているなら、「カタン」も候補に入れてみてはいかがでしょうか。遊びながら交渉力やマネジメント力、戦略的思考といったスキルも学ぶことができるため、学びのツールとして活用されることも多いゲームです。

「カタン」については、以下の記事で詳しく解説しています。

ボードゲーム「カタン」とは?学べるスキル・研修に活用するメリットを紹介

まとめ

「プエルトリコ」には、各プレイヤーに個人ボードが与えられることや、一人が選択したアクションを全員が実行する「ヴァリアブルフェイズオーダー」という仕組みであることなど、他のボードゲームとは異なる特徴があります。世界中のボードゲーマーからも高く評価されている人気のボードゲームです。また、ゲームを通して戦略的思考やリソース管理能力、柔軟に対応する力なども学べるため、研修にも活用できると考えられます。

ただ、過去には実際にプエルトリコが植民地だった時代があり、苦しんだ人がたくさんいます。その影響・余波は今も残っています。このゲームで遊ぶなら(研修に取り入れるなら)、そうした歴史等も学ぶべきでしょう。

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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