ボードゲームの「パンデミック」とは?研修に取り入れるメリットとポイント

  • 研修ノウハウ
    • ボードゲーム

「研修の効果をもっと高めたい」「参加者にはもっと主体的に研修に取り組んでほしい」このようなお悩みを抱えているなら、研修にボードゲームを取り入れてみてはいかがでしょうか。さまざまなボードゲームがありますが、一体感やチームワークを高めたい場合におすすめなのが、「パンデミック」というボードゲームです。

本記事では、「パンデミック」とはどのようなゲームなのか、基本セットである「パンデミック:新たなる試練」のルール、ゲームを通して学べるスキルや、研修に活用するメリット、研修に取り入れる際のポイントを紹介します

受講者が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で実践できる知識・スキルを習得
⇒受講者のスキルアップとチームビルディングをはかる「あそぶ社員研修 総合資料」を無料で受け取る

⇒「コミュニケーション研修」の資料を無料で受け取る

ボードゲームの「パンデミック」とは

「パンデミック」は、アメリカのボードゲーム会社であるZ-man Gamesより発売されているボードゲームです2013年に「パンデミック:新たなる試練」として改訂版がリリースされており、この日本語版は株式会社ホビージャパンより発売されています。

「パンデミック」とは、感染症が世界的に大流行することを意味する言葉です。新たなウイルスが出現すると、多くの人が免疫を持っていない状態であるため、大きな流行が起こる恐れがあります。「パンデミック:新たなる試練」は、各地で発生するウイルスに対するワクチンを見つけて、感染拡大を食い止めるというゲームです。

2003年には、SARS(重症急性呼吸器症候群)が世界的に大流行しました。このゲームをデザインしたマット・リーコック(Matt Leacock)氏は、それをきっかけにウイルスを敵としたゲームを作ることを思いついたといいます。

最近では、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが起きました。その際には、再びこの「パンデミック:新たなる試練」も注目され、売り上げも伸びたそうです。

パンデミックの特徴は「協力型」であること

「パンデミック:新たなる試練」は、「ウイルスvsプレイヤー全員」という構図になっています。プレイヤー同士が競うのではなく、全員が1つのチームになってクリアを目指す協力型のボードゲームであるというのが、このゲームの大きな特徴です。バトルロイヤル形式(「自分以外のプレイヤーは全員敵」という形式)やチーム戦のゲームのように、プレイヤー間の勝ち・負けがありません。クリアできたときには、全員で達成感を分かち合えるという魅力があります。

プレイ人数は24人で、それぞれに異なる役割が与えられます。ゲームをクリアするためには、一人ひとりが自分の役割をこなすこと、そして他のメンバーと協力し合うことが不可欠です。このような特徴があることから、社内研修にもおすすめできるゲームです。

ボードゲーム「パンデミック」のルール

ボードゲームの「パンデミック」には、多くの拡張セットやスピンオフ作品があります。ここからは、基本セットである「パンデミック:新たなる試練」のルール・進め方を簡単に説明していきます。

  • プレイ人数:24
  • プレイ時間の目安:約45

メインボードは世界地図になっており、代表的な都市が示されています。このメインボードの上に9つの病原体コマを置いた状態で(9つの都市で感染が確認された状態で)、ゲームを始めます。

プレイヤーは、「科学者」「研究員」「衛生兵」「通信司令員」「作戦エキスパート」「危機管理官」「検疫官」の役割をそれぞれ担当します。ターンが進むごとにウイルスが増えていくので、それぞれが協力して能力を発揮し、感染を抑え込んでいきます。

4種類すべてのウイルスのワクチンを発見できればプレイヤーの勝利、ウイルスが世界中に拡散してしまうとゲームオーバーで、プレイヤーの負けとなります。

難易度は、初級・中級・上級と3段階で設定できます。

ボードゲーム「パンデミック」は社内研修にも活用できる

「パンデミック:新たなる試練」は、楽しいだけでなく、さまざまなことを学べるゲームです。そのため、社内研修にも活用できるでしょう。ここからは、ゲームを通してどのようなスキルを学べるのか、研修に活用するメリット、取り入れる際のポイントについて、詳しく解説します。

「パンデミック」で学べるスキル

「パンデミック:新たなる試練」からは、以下のような学びを得ることができます。

  • 一人ひとりに異なる役割が与えられるため、チームにおける役割分担の重要性を学べる。
  • 感染拡大を食い止めるにはどうすればよいのかを考えることを通じて、戦略的思考が磨かれる。
  • 全員が協力しないとクリアできない仕組みになっており、自然にコミュニケーションが生まれるため、コミュニケーション能力が鍛えられる。

また、プレイヤー全員でクリアを目指す「協力型」のゲームであるため、チームビルディングにもつながります。

さらに、ビジネスに関することではありませんが、パンデミックについても理解を深めることができます。具体的には、感染症の恐ろしさ、感染拡大の原理、どのような対策がどのような結果をもたらすのかなどです。

「パンデミック」を研修に活用するメリット

では、「パンデミック:新たなる試練」を研修に活用することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

楽しみながら学べる

研修と聞くと、「堅苦しい」「つまらない」「座っている時間が長くてきつい」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。ゲームという「楽しい」要素を取り入れることで、研修に対するイメージがポジティブなものになり、積極的に参加してくれるようになることが期待できます。

また、参加者自身に頭と身体を動かしてもらったほうが、学びが定着しやすくなるともいわれています。

研修に「パンデミック:新たなる試練」を取り入れることで、先ほど紹介したようなスキルを楽しく、効率的に習得してもらえるようになるでしょう。

コミュニケーションが活性化する

参加者同士で協力してクリアを目指すゲームを取り入れることで、自然とコミュニケーションが生まれます。参加者同士がまだお互いをよく知らない、または初対面である場合、研修冒頭でゲームを実施すれば打ち解けやすくなるでしょう。

また、コミュニケーション不足が課題となっている場合にもおすすめです。あえて仕事に関係のない「ゲーム」に協力して取り組むなかで、メンバーの新たな一面が見えることもあります。相互理解が深まり、人間関係や職場の雰囲気が良くなることが期待できるでしょう。

研修に対するモチベーションが上がる

参加者が初対面の人ばかりだと、特に最初は緊張してしまうものです。緊張をほぐすためにも、冒頭にゲームを取り入れるのはおすすめです。その場が盛り上がり、全体のモチベーションが高まりやすくなります。

また、普段仕事では消極的な人も、ゲームになら積極的に取り組んでくれるかもしれません。ゲームという「楽しい」要素を取り入れることで、参加者の主体性を高められる可能性があります。

モチベーションや主体性が高まれば、その後の講義・ワークも集中して取り組んでくれるようになるでしょう。

「パンデミック」を研修に取り入れる際のポイント

ボードゲーム「パンデミック」を研修に取り入れる際は、以下の点に注意しましょう。

  • 先ほどお伝えしたように「パンデミック:新たなる試練」は難易度を3段階で設定することができるので、参加者のレベルに合わせて難易度を設定しましょう。
  • このゲームは、全員が協力することが大切です。グループのなかに強すぎるリーダーがいると、他のメンバーが受け身になってしまうことがあるので、その点はファシリテーターがサポートしましょう。
  • 最初に研修でこのゲームを実施する目的を共有しましょう。そして、最後にはフィードバック・振り返りの時間を設けてください。この2つをしないと、ただ「楽しかった」で終わってしまう恐れがあります。
  • プレイ時間の目安は約45分。これにルールの説明や振り返り・フィードバックも含めると1時間を超えてしまいます。他の講義・ワークとのバランスも考慮してプログラムを組みましょう。

チームビルディングなら「ゾンビパンデミック」もおすすめ

さまざまなスキルを学びながらチームビルディングもできるゲームを探しているなら、「ゾンビパンデミック」もおすすめです。「ゾンビパンデミック」は、株式会社IKUSAが提供する「合意形成・アサーティブコミュニケーション研修」のプログラムの1つです。リアル・オンライン両方の研修に対応しています。ゲームの流れを簡単にまとめると、以下の通りです。

  1. 予期せぬ問題が発生(ゾンビパンデミックの場合は、「友人とショッピング中に突然ゾンビに襲われる」というストーリーとなっています。)
  2. 問題の対処法を個人で考える
  3. 問題の対処法をチームで考える(合意を形成する過程を体験する)
  4. チームで出した結論と専門家の結論を比較し、妥当性を判断する。
  5. 合意形成を得るための要点を解説
  6. 各チームでゲームを振り返る。

ゲームを通して、相手の話を聞く力や論理的思考力、リーダーシップ、ファシリテーション力などが鍛えられます。また、協調性やコミュニケーションの必要性、価値観の違いなども学ぶことができるでしょう。全員が協力せざるを得ない構造になっているため、自然とチームビルディングができます。

⇒合意形成・アサーティブコミュニケーション研修の資料を受け取る

まとめ

世界中で人気のボードゲーム「パンデミック」を紹介しました。ゲームを通してチームにおける役割分担の重要性、戦略的思考、コミュニケーション能力を学べるため、企業の研修にも活用できます。参加者同士のコミュニケーション促進、主体性やモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。全員でクリアを目指す「協力型」のゲームなので、チームワークも強化できます。

「研修にゲームを取り入れてみたい」「どうせならチームビルディングができるゲームがいい」と考えているなら、「パンデミック」がおすすめです。

※本記事に記載の情報は、20253月時点の情報です。購入前に最新情報をご確認ください。

公式サイト:パンデミック:新たなる試練 | ANALOG GAME INDEX

 

「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
⇒あそぶ社員研修 総合資料を受け取る

⇒コミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

⇒ 合意形成・アサーティブコミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

⇒ PDCA研修の資料を無料で受け取る

 

3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

⇒ 戦略思考研修の資料を無料で受け取る

 

4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

⇒ コミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

⇒ ロジカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

⇒ クリティカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

⇒ リーダーシップ研修の資料を無料で受け取る

 

8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

⇒ ビジネスマナー研修の資料を無料で受け取る

 

9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

⇒ 防災研修の資料を無料で受け取る

 

10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

⇒ OODA LOOP研修の資料を無料で受け取る

 

⇒ その他の研修はこちら

⇒ お客様の声はこちら

この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

よく読まれている記事