ボードゲームの「ドミニオン」とは?ルールや研修に活用するポイントを解説

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研修にボードゲームを活用することで、研修が「退屈なもの」から「楽しいもの」になり、モチベーションや主体性の向上、学習効果の向上も期待できます。さまざまなボードゲームがありますが、世界中で人気の「ドミニオン」も、研修におすすめのボードゲームの一つです。

本記事では、ドミニオンとはどのようなボードゲームなのか、ルール・進め方、研修に活用するメリットやポイントを解説します

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ボードゲームの「ドミニオン」とは

「ドミニオン(原題:Dominion)」は、2008年秋に、アメリカのRio Grande Gamesからリリースされたボードゲーム(カードゲーム)です。日本語版は、2009年より株式会社ホビージャパンが発売しています。

英単語の「dominion」には、ある地域や領土の統治権、支配権などの意味があります。「ドミニオン」は、プレイヤーは小王国の領主となり、自分の領土を拡大していくというゲームです。最終的に、デッキ(自分の手札として使用するカードの束)内の勝利点が一番多い人が勝者となります。

2009年のアラカルト・カードゲーム賞(1位)、ドイツゲーム賞(大賞)、ドイツ年間ゲーム大賞(大賞)など、これまでに多くの賞を受賞している大人気のボードゲームです。

ボードゲーム「ドミニオン」のルール・進め方

ここからは、ボードゲーム「ドミニオン」のルールや進め方を簡単に説明していきます。

プレイ人数は24人、プレイ時間の目安は約30分です。ゲームの進め方を解説する前に、まずはカードの種類から紹介します。

カードの種類

「ドミニオン」で使うカードは、財宝カード、勝利点カード、アクションカードの大きく3種類に分けられます。

  • 財宝カード……新しいカードを購入するときに使うお金となるカードです。銅貨(1)、銀貨(2)、金貨(3)の3種類があります。
  • 勝利点カード……勝利点が書かれたカードです。ゲーム中に使うことはありませんが、ゲーム終了時点で勝利点が最も多い人が勝者となります。屋敷(1点)、公領(3点)、属州(6点)の3種類があります。
  • アクションカード(王国カード)……さまざまなアクションが書かれたカードです。全25種類ありますが、1回のゲームで使用するのは10種類のみです。どのカードを選ぶかで、ゲームの展開も変わります。

ゲーム前の準備

ゲームを始める前に、下図のように使用するカードを並べて準備します。(※並べ方に決まりはありません。下図は一例です。)

プレイヤーは、ここに並んでいるカードから新しいカードを購入して、自分のデッキに追加していきます。

カードを並べたら、次に各プレイヤーに最初のカードを配ります。最初のカードは、「銅貨7枚+屋敷3枚」の合計10枚と決まっています。これが最初の山札になりますので、裏返してよく混ぜ、そこから5枚引き手札としましょう。

「ドミニオン」の進め方

準備ができたら、プレイヤー同士で順番を決めて、ゲームを始めていきましょう。自分のターンで行うことは、以下の3つです。

  1. アクションカードを使用する
  2. カードを購入する
  3. 手札をクリーンアップする

1.アクションカードを使用する

手札のなかにアクションカードがあれば、それを使ってさまざまな効果を生み出すことができます。

【効果の一例】

カードを引く、カードを追加で購入できる、アクションカードを使える枚数が増える、他のプレイヤーに攻撃するもの、他のプレイヤーからの攻撃を防ぐ など

ターンのなかで使えるアクションカードは1枚のみです。使ったアクションカードは、「捨て札」に置きましょう。

※ゲームを始める段階では誰もアクションカードを持っていないので、このフェーズはスキップします。

2.カードを購入する

手札の財宝カードを使って、並んでいるカードのなかから新しいカードを1枚購入します。購入に必要なコストは、カードの左下に書かれています。もし「3」と書かれているカードを購入したいなら、その分だけ自分の手札の財宝カードを「捨て札」にすることで、そのカードを手に入れることができます。

ただ、新しいカードはいきなり山札に加えることはできません。まずは「捨て札」に置くことになっています。

3.手札をクリーンアップする

カードを購入したら、残っている手札はすべて「捨て札」に置き、山札から新たに5枚のカードを引いて手札とします。ここまでで、自分のターンは終了です。

山札がなくなったら、「捨て札」をシャッフルして新しい山札とします。山札が2枚しか残っていない場合は、2枚を引いたあとで「捨て札」を山札とし、足りない3枚をそこから引くというルールになっています。

ゲーム終了の条件

属州カードか、その他のカードのいずれか3種類がなくなったらゲーム終了です。その時点で、それぞれデッキ内の勝利点を合計し、最も多いプレイヤーが勝ちとなります。

ボードゲーム「ドミニオン」を社内研修に活用する

「社内研修を実施しても参加者が積極的になってくれない」「もっと楽しめる研修にしたい」このようなお悩みを抱えているなら、ボードゲーム「ドミニオン」を研修に活用してみてはいかがでしょうか。

ここでは、ボードゲームを研修に活用するメリット、「ドミニオン」で求められるスキルや、研修に取り入れる際のポイントを詳しく解説します。

ボードゲームを研修に活用するメリット

まずは、「ドミニオン」のようなボードゲームを研修に活用することで、どのような効果が得られるのかを見ていきます。

「研修=楽しいもの」になる

研修が「退屈」だと、内容がなかなか頭に入りません。当然そのような状態では、知識・スキルは身につかないでしょう。ただ座って講義を聞くだけ・動画を見るだけといった一方的に与えられるだけの研修よりも、参加者自身が何かを「体験」できる研修のほうが、学習効果は高いといわれています。さらに、そこに「楽しさ」をプラスすることで、より効果を高められるでしょう。

研修に主体的に取り組んでくれるようになる

研修に「楽しさ」がプラスされることで、その場の雰囲気が明るくなります「ドミニオン」のような勝敗がつくゲームは、特に盛り上がりやすいため、全体のモチベーションも高まりやすくなるでしょう。

また、研修冒頭でゲームをすることで、参加者の緊張がほぐれる、主体性が高まるといった効果もあります。その後の講義やワークも、主体的に取り組んでくれるようになるでしょう。

自然にコミュニケーションが生まれる

研修に複数人で実施するゲームを取り入れることで、グループ内に自然にコミュニケーションが生まれます。ゲームを通して、初対面の人や、普段あまりかかわることのない人とも、距離を縮めることができるでしょう。ゲームをするなかで、いつも一緒に仕事をしている人の違った一面が見えることもあるかもしれません。このように、研修にゲームを取り入れることで、コミュニケーション活性化、社内交流や相互理解の促進といった効果が期待できます。

ただ、「ドミニオン」は「どのようにデッキを構築していくか」を考えながらプレイするため、自分の世界に没頭しやすい(「一人で戦っている感覚」になりやすい)ゲームともいえます。また、基本セットは他のメンバーに干渉するようなカードが少ないので、コミュニケーション活性化を一つの狙いとするなら、コストはかかりますが拡張セットの購入も検討するとよいかもしれません。

ボードゲーム「ドミニオン」で求められるスキル

ボードゲーム「ドミニオン」で勝つためには、以下のようなスキルが求められます。研修に取り入れることで、これらを楽しみながら強化することができるでしょう。

  • 戦略的思考……ゲームの冒頭で状況を分析し、どのような方針で進めるかを決める力。ゴールまでの道筋を自分なりに描き、それに沿って行動を選び取っていく。
  • リソースの使い方……限られた手札や選択肢のなかで、どのように動くのがも最も効果的かを考える力。少ない資源で成果を最大化する。
  • 柔軟な対応力……ゲーム中の状況変化や他のプレイヤーの動きに合わせて、自分の計画を見直し、対応を変えていく力。計画に固執せず、変化に前向きに対処する。
  • 長期的な視点……目先の利益だけでなく、最終的なゴールを意識して行動を選ぶ力。序盤・中盤・終盤を見据えた、バランスの取れた判断をする。

ボードゲーム「ドミニオン」を研修に取り入れる際のポイント

次に、ボードゲーム「ドミニオン」を研修に取り入れる際のポイントを紹介します。

勝敗にこだわりすぎない工夫をつくる

ドミニオンは競争型のゲームですが、研修を通じた学びを活かすためにも、勝敗にこだわりすぎない工夫をつくることをおすすめします。具体的には、ゲーム開始時に、参加者に「ゲームを通して何を学んでほしいのか」「何のために研修でゲームを実施するのか」を告げ、目的を理解したうえで取り組んでもらいましょう。また、ゲーム終了後に振り返りの時間を設けることも大切です。

カードセットの選定で難易度を調整する

「ドミニオン」は、使用するカード(アクションカード)の組み合わせで、ゲームの難易度や雰囲気が大きく変わります。初回の研修ではシンプルで分かりやすいカードを中心に構成し、複雑なカードや拡張セットは避けたほうが無難でしょう。

まとめ

「ドミニオン」は、これまでに多くの賞を受賞している人気のボードゲームです。ゲームを通して戦略的思考やリソースの使い方、柔軟な対応力や長期的な視点などを学べるため、研修にも活用できると考えられます。研修にボードゲームを活用することで、参加者にとって研修が「楽しいもの」となり、モチベーションや主体性が高まることが期待できます。参加者が前のめりに学習してくれるようになれば、研修の効果も向上するでしょう。

※本記事に記載の情報は、20253月時点の情報です。購入前に最新情報をご確認ください。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

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