ボードゲーム「キャッシュフロー」を研修に活用するメリット・ポイントを紹介

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ビジネスゲームを取り入れた研修も増えていますが、ビジネスゲームとして開発されたもの以外にも、研修に活用できるゲームは非常に多くあります。その1つが、「キャッシュフロー」というボードゲームです。

本記事では、「キャッシュフロー」とはどのようなゲームなのか、実施するときの注意点や、遊び方、学べるスキルや、研修に活用するメリット、取り入れる際のポイントを紹介します

※「キャッシュフロー」は、日本語版公式サイトが20254月末をもって閉鎖予定とされているため、今後は日本語版の入手が難しくなる可能性があります。ご興味のある方は、中古製品の活用もご検討ください。

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ボードゲームの「キャッシュフロー」とは

「キャッシュフロー」は、1996年にアメリカで発売されたボードゲームです。ゲームを通してお金、会計、投資の知識を楽しく学ぶことができます。

価格は19,800円(税込)と、ボードゲームのなかではやや高めです。26人でプレイするゲームですので、社内研修に取り入れるならグループの数だけ購入する必要があります。英語版のみですが、無料で遊べるオンライン版もあります(メールアドレスの登録が必要です)。

また、「キャッシュフロー 日本語版」は、株式会社マイクロマガジン社から販売されていましたが、完売のため販売終了になったということが公式サイトで発表されています。今後、再生産の予定はないとのことです。「キャッシュフロー・キッズ 日本語版」も、契約終了に伴い2025331日をもって販売終了となっています。そのため、日本語版の新品を入手するのは今後難しくなる可能性があります。ご興味のある方は、中古製品の活用もご検討ください。

『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者が考案したボードゲーム

「キャッシュフロー」は、『金持ち父さん貧乏父さん』の著者である、ロバート・キヨサキ氏が考案したボードゲームです。『金持ち父さん貧乏父さん』は、『金持ち父さん』シリーズの第一作目となる書籍で、1997年に発売されました。お金の基本が学べる内容となっています。日本語版は、筑摩書房が出版しています(訳:白根 美保子)。

筑摩書房の公式サイトによると、『金持ち父さん』シリーズは、全世界でシリーズ累計4000万部、日本でもシリーズ累計410万部を突破しています。お金についての知識を増やしたい人は、書籍のほうもチェックしてみてはいかがでしょうか。

公式サイト:『金持ち父さん』シリーズ 筑摩書房

「キャッシュフロー」を実施するときの注意点

残念なことに、「キャッシュフロー」を怪しいビジネスやセミナーの勧誘に使う人がいるようです。そのため、ボードゲーム会では「キャッシュフローは持ち込み禁止」とされることも多いといわれています。

「キャッシュフロー」は、楽しみながらお金の流れや投資の考え方を学べるため、研修にもおすすめのゲームです。しかし、研修に取り入れたことがきっかけで参加者がこのゲームに興味を持ち、「キャッシュフロー」のゲーム会に参加して被害にあってしまった……ということにならないように、上記のような危険があると伝えておく必要があるでしょう。

また、「キャッシュフロー」はあくまでもお金や投資の知識を学べるゲームです。当たり前のことですが、ゲームで勝てたときのやり方を現実でも実践すれば、人生がうまくいくというわけではありません。現実の世界で実際に投資をするときは、「ゲームではこうすればうまくいったから」と考えずに、その投資対象についてしっかり勉強する必要があります。場合によっては、専門家から助言を受けたほうがよいでしょう。

ボードゲーム「キャッシュフロー」の遊び方

ではここからは、ボードゲーム「キャッシュフロー」の遊び方を簡単に説明します。

  • プレイ人数:26
  • プレイ時間の目安:60分~180

メインボードには2つのコースがある

「キャッシュフロー」は、すごろくスタイルのゲームです。プレイヤーは自分の手番が来たらサイコロを振り、出た目の数だけ自分のコマを進めます。そして、止まったマスに書かれているアクションを実行します。

ただ、一般的なすごろくと違うのは、メインボード上に「ラットレース」と「ファーストトラック」という2つのコースがあるという点です。

  • ラットレース:内側のコース。お金を得るために働いて生活をするステージです。
  • ファーストトラック:外側のコース。不労所得(家賃収入や投資の配当金など、働かずに得られる収入のこと)だけで生活できるお金持ちのステージです。

「キャッシュフロー」のルール

まずは、職業カードを引いて各プレイヤーの職業を決めます。職業は、弁護士や運転手、航空機パイロットなど全部で12種類あり、それぞれに収入と支出、資産、負債が書かれています。

職業を決めたら、ゲーム開始です。初めは、プレイヤー全員が「ラットレース」からスタートします。毎月の総支出を超える不労所得を作り出すことができれば、ラットレースから抜け出しファーストトラックへ行くことができます。まずは、これが最初の目標となります。

そして、ファーストトラックに移ったら、ファーストトラック上のビジネスに投資をします。これにより、最初に不労所得を5万ドル増やすことができた人が勝利です。

「キャッシュフロー」日本語版の公式サイトでは上記が勝利の条件となっていましたが、最初にファーストトラック上にある夢を選び、そのマスにとまれば勝ちというやり方もあります。

ボードゲーム「キャッシュフロー」を研修に活用する

「キャッシュフロー」は、研修にも活用できるボードゲームです。「キャッシュフロー」を通してどのようなスキルが学べるのか、研修に活用するメリット、取り入れる際のポイントを紹介します。

「キャッシュフロー」で学べるスキル

ボードゲーム「キャッシュフロー」は、ゲームを通してお金や会計、投資の基本的な知識を学ぶことができます。投資にはもちろんリスクもありますが、「危険なもの」ではないことも理解できるようになるでしょう。

また、どれだけ多くの資産を持っていても、負債や支出が多いとお金持ちにはなれません。このゲームで勝つためには「どうすれば負債や支出を減らせるか?」なども考える必要があり、現実にも活かせることも多いのではないでしょうか。

「キャッシュフロー」を研修に活用するメリット

次に、ボードゲーム「キャッシュフロー」を研修に活用するメリットを紹介します。

お金や投資を楽しく学べる

座って講師の話を聞くだけの研修は、参加者が退屈してしまいやすいものです。最初から最後まで集中力を維持するのも、なかなか難しいでしょう。参加者自身が頭を使って何かをする、または身体を動かすプログラムがあるほうが、知識やスキルが身に付きやすくなります。さらに、ゲームのような「楽しい」要素があると、学習効果はより高まりやすくなるといわれています。

ボードゲーム「キャッシュフロー」を研修に活用することで、参加者にお金や投資の知識を楽しく習得してもらうことができます。

場の雰囲気が明るくなる

その場全体が暗い雰囲気だと、参加者に意見や質問を求めてもなかなか出ないことが多いです。「キャッシュフロー」のようなゲームを研修に取り入れることで、場の雰囲気が明るくなり、参加者が学びに積極的になってくれることが期待できます。

研修の冒頭でゲームを実施することで、参加者の主体性やモチベーションも高まりやすくなり、その後の講義やワークに集中して取り組めるようになるといった効果もあります。

参加者同士の交流を促進できる

グループに分かれて同じゲームに取り組んでもらうなかで、自然にコミュニケーションが生まれます。ゲームを通して、初対面の人、普段あまり接点のない人とも、交流を深めることができるでしょう。

また、いつも一緒に仕事をしている人であっても、ゲームを通して新たな一面が見えることもあります。お互いをより深く知ることができるというのも、研修にボードゲームを活用するメリットの1つです。

「キャッシュフロー」を研修に取り入れる際のポイント

「キャッシュフロー」は、何度かプレイするとそれこそただのゲームになってしまい、「勝つ」ことに意識が向いてしまう人が多いです。そのため、研修の参加者が「キャッシュフロー」未経験者ばかりならおすすめできますが、経験者がいる場合は、お金についての学びは少ないかもしれません。

また、プレイ時間の目安は60分~180分と結構長めなので、アイスブレイク的に活用するなら、独自ルールを設けるなどして時間も工夫する必要があるでしょう。あまりゲームに時間を使いすぎると、メインのプログラム(講義、ワークなど)の時間が少なくなってしまいます。

そして、先ほど「「キャッシュフロー」を実施するときの注意点」の項で説明した内容を、参加者に伝えることも忘れないでください。

お金の動きを学ぶなら「ワールドリーダーズ」もおすすめ

お金の動きを学ぶなら、株式会社IKUSAが提供する「ワールドリーダーズ」というボードゲームもおすすめです。「キャッシュフロー」は個人戦でしたが、こちらはチームで勝利を目指すゲームとなっています。

各チームに、ターンごとに労働力や資金、情報が与えられます。それらを活用して、最終的に最も大きな利益を生み出したチームが勝利となります。ただ、この「ワールドリーダーズ」はSDGsの要素が含まれたゲームであるため、目先の利益を追求するだけでは勝つことはできません。社会や環境にも配慮し、長期的な利益を生み出さなければならないのです。

ゲームを通して、SDGsの考え方や企業の役割、戦略思考、情報共有、交渉などを学ぶことができます。

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まとめ

お金の流れや投資の考え方を楽しく学べる「キャッシュフロー」は、社内研修にも活用できるボードゲームです。ただ、残念なことに怪しい勧誘に使われることもあるゲームなので、社内研修に活用する際は、参加者に「外部のゲーム会などには参加しないように」と伝えておいたほうがよいでしょう。

※本記事に記載の情報は、20253月時点の情報です。

※「キャッシュフロー」は、日本語版公式サイトが20254月末をもって閉鎖予定とされているため、今後は日本語版の入手が難しくなる可能性があります。ご興味のある方は、中古製品の活用もご検討ください。

公式サイト:キャッシュフロー 日本語版 公式サイト

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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