ボードゲームの「カルカソンヌ」とは?進め方や面白さを解説

  • 研修ノウハウ
    • ボードゲーム

研修の参加者の主体性やモチベーションを高めたり、参加者同士の交流を促したりするために、ゲームが取り入れられるケースがあります。「うちの研修にもゲームを取り入れたい」「研修におすすめのゲームを探している」という研修担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、おすすめのゲームとして「カルカソンヌ」というボードゲームを紹介します。「カルカソンヌ」の進め方や面白さ、研修に活用するメリットやポイントを、詳しく見ていきましょう。

受講者が没入して取り組むアクティビティと専門講師の講義・振り返りをブリッジすることで、翌日から業務で実践できる知識・スキルを習得
⇒受講者のスキルアップとチームビルディングをはかる「あそぶ社員研修 総合資料」を無料で受け取る

⇒「コミュニケーション研修」の資料を無料で受け取る

ボードゲームの「カルカソンヌ」とは

「カルカソンヌ」(原題:Carcassonne)は、ドイツのHans im Gluckより2000年に発売されたボードゲームです。日本語版はメビウスゲームズより発売されています。デザイナーは、クラウス・ジャーゲン・リード(Klaus-Jurgen Wrede)氏です。

「カルカソンヌ」は、古代ローマ時代のカルカソンヌ(フランスの都市)をモチーフにしたボードゲームです。ゲームの進め方はのちほど紹介していますが、タイルをめくって、絵柄がつながるようにタイルをくっつけていくだけというシンプルなゲームなので、ボードゲーム初心者でも楽しく遊ぶことができます。

日本選手権・世界大会も開催される人気のゲーム

「カルカソンヌ」は、2006年から世界大会も開催されているほど、世界中で楽しまれているボードゲームです。2011年からは、メビウスゲームズとカルカソンヌ日本選手権実行委員会の主催、JAGA日本ゲーム協会の協力で、日本選手権も開催されています。

日本選手権に出場するためには、まず各地で行われる予選会を勝ち上がらなければなりません。日本選手権で優勝した人には、世界大会への出場権と渡航補助金として15万円が贈られることになっています(2025年大会)。詳しくは、カルカソンヌ日本選手権の公式サイトをご覧ください。

公式サイト:カルカソンヌ日本選手権

「カルカソンヌ」の進め方

ではここからは、ボードゲーム「カルカソンヌ」の進め方を簡単に紹介します。

  • プレイ人数:25
  • プレイ時間の目安:3045

1.ゲームの準備をする

まずは、ゲームの準備をします。

  1. いろいろな絵柄が書かれた正方形のタイルが72枚あります(絵柄は24種類)。そのうち、裏面の色が違う1枚はスタートタイルなので、これを場に置きます。
  2. スタートタイル以外のタイルは、裏を向けてよくシャッフルし、山として置いておきます(絵柄が見えないように、袋などに入れておいてもOKです)。
  3. 誰が何色のミープル(コマ)を使うのかを決め、各自1つを得点ボードの「0」の位置に置きます。
  4. プレイヤー同士でじゃんけんをするなどして、タイルをめくる順番を決めます。

2.ゲームスタート

準備ができたら、ゲームを始めます。プレイヤーがやることは、以下の3つです。

1.タイルを引いて並べる

プレイヤーは、自分の手番が来たら山から好きなタイルを一枚引きます。そして、そのタイルをすでに場に置かれているタイルにつなげて並べます。絵柄がつながるなら、どこに並べても構いません。ただし、タイルの角と角をつなげるのはNGです。必ずどこか一辺が接するように並べなくてはなりません。

2.ミープル(コマ)を置く

タイルを並べるときに、プレイヤーは手持ちのミープルを地図上に置くことができます(必ず置かなければならないわけではありません)。

ただ、ミープルを置けるのは「街」「道」「修道院」「草原」のみと決まっています。また、すでに他のミープルが置かれている場所には置くことはできません。

3.得点を計算する

自分のミープルを置いた「街」「道」「修道院」「草原」が完成したときに、プレイヤーには得点が入ります。

完成とは、以下の状態を指します。

  • 「街」……城壁がつながり、街の中がすべて埋まれば完成。
  • 「道」……両端が行き止まりか、交差点になれば完成。
  • 「修道院」……修道院の周りをすべてタイルで囲むことができれば完成。

完成したら得点を計算し、得点ボード上の自分のミープルを獲得した点数分進めます。そして、地図上に置いたミープルは回収します。

なお「草原」は、ゲーム終了まで得点の計算をしません。一番高得点が期待できる場所ですが、「草原」に置いたミープルはゲーム終了まで回収できないのです。

このように進めていき、引くタイルがなくなったらゲーム終了です。得点を計算して、最も高得点のプレイヤーが勝者となります。

「カルカソンヌ」の面白さ

一人のプレイヤーが使えるミープルは、7個しかありません。ミープルを置く場所は、早い者勝ちです。しかし、一度ミープルを地図上に置いてしまえば、その場所が完成するまで回収できないので、あまり最初から置きすぎると、ゲーム後半には使えるミープルがなくなってしまいます。

限られたミープルを、いつ・どの場所に置くのかが、このゲームの難しい部分でもあり、楽しい部分でもあります。

「カルカソンヌ」は研修にもおすすめ

せっかく研修を実施したのに、「参加者が消極的で、しっかり学んでくれたのかどうかわからない」と感じたことはありませんか? 研修をもっと魅力的なものにするために、「カルカソンヌ」のようなボードゲームを活用するのもおすすめです。

ここでは、研修にボードゲームを活用するメリット、「カルカソンヌ」に求められるスキルや、研修に取り入れる際のポイントを紹介します。

ボードゲームを研修に活用するメリット

「カルカソンヌ」のようなボードゲームを研修に取り入れることで、以下のような効果が期待できるでしょう。

研修が「楽しく」なる

「研修」に対して、「退屈なもの」「ずっと座っているだけでつらいもの」というイメージを持っている人もいます。ゲームを取り入れることで、研修が「楽しいもの」になり、積極的に参加してくれるようになるでしょう。

また、座って講義を聞くだけの研修は、どうしても参加者が「受け身」の姿勢になりやすいものです。何かしらの体験と、「楽しい」要素をプラスすることで、参加者の主体性が高まりやすくなります。講義の前にゲームを実施することで、その後の講義も集中して聞いてくれるようになるでしょう。

研修に対するモチベーションが上がる

研修でゲームを実施することで、その場の雰囲気が明るくなります。場の雰囲気は、参加者のモチベーションにも影響を与えます。場が明るくなれば、研修に対するモチベーションも高まりやすくなるでしょう。その結果として、学習効果の向上も期待できます。

参加者同士が打ち解けやすい

研修でゲームを実施することで、自然とグループ内にコミュニケーションが生まれます。初対面の人、普段あまりかかわりがない人とも、ゲームを通して打ち解けることができるでしょう。後日、研修で実施したゲームがきっかけで会話が生まれることもあるかもしれません。たとえば、「この前の研修でやったゲーム、楽しかったですよね。」「私のグループでは〇〇さんが勝ちました。あなたのグループは誰が勝ったのですか?」などです。このように、コミュニケーションを促進できるというのも、研修にゲームを活用するメリットの1つです。

また、特に内定者研修や新入社員研修のような初対面の人ばかりが集まる研修は、参加者も緊張して固くなってしまうものです。研修冒頭でゲームを実施すれば、緊張がほぐれ、その後の学習内容も頭に入りやすくなります。

「カルカソンヌ」で求められるスキル

「カルカソンヌ」は、ゲームの特徴から以下のようなスキルを強化するのに役立つと考えられます。

「カルカソンヌ」を研修に取り入れる際のポイント

「カルカソンヌ」は、初心者でも楽しめるくらいルールがシンプルなゲームですが、得点の計算方法が少しややこしいので、最初は「難しい」と感じる人もいるかもしれません。「難しい」と感じると、せっかくのゲームも楽しめなくなってしまいますので、よりシンプルにするために、「草原」は無しで実施してもよいでしょう。

また、山からどのような絵柄のタイルを引くかは「運」ですが、経験を積むとタイルの絵柄を覚えてきます。すると、「あの絵柄のタイルがまだ山に残っているはずだから、それを引いたときのためにこのタイルはこちらに配置しよう」などと戦略を考えられるようになります。相手の完成を妨害するような配置も可能となるでしょう。このように、「カルカソンヌ」はやればやるほど上達するゲームですので、研修で実施する際はグループ分けも重要です。もちろん初心者が経験者に勝つこともありますが、可能であれば参加者のレベルでグループを分けられるとよいでしょう。

まとめ

日本選手権や世界大会が開催されるほど人気のボードゲーム、「カルカソンヌ」を紹介しました。ルールはシンプルですが、非常に頭を使うゲームです。ゲームの特徴から、計画性や状況判断力、柔軟性といったスキルも強化できると考えられます。そのため、研修に活用するのもおすすめです。また、「カルカソンヌ」のようなボードゲームを研修に活用すると、研修が「楽しいもの」になり、参加者の主体性やモチベーション、学習効果も高まることが期待できます。参加者同士の交流を促せるというメリットもありますので、「研修をより効果的なものにしたい」と考えているなら、ボードゲームの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事に記載の情報は、20253月時点の情報です。購入前に最新情報をご確認ください。

日本語版メーカーサイト:カルカソンヌ – メビウス ゲームズ

 

「あそぶ社員研修」は、受講者全員が没入して取り組むアクティビティ・振り返り・講義をブリッジすることで学びを最大化させ、翌日から業務で活かせる知識・スキルが身につく講義・アクティビティ一体型の研修プログラムです。アクティビティが受講者の主体性を高めてコミュニケーションを促進させ、スキルアップやチームビルディングをはかれます。
⇒あそぶ社員研修 総合資料を受け取る

⇒コミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

⇒ 合意形成・アサーティブコミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

⇒ PDCA研修の資料を無料で受け取る

 

3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

⇒ 戦略思考研修の資料を無料で受け取る

 

4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

⇒ コミュニケーション研修の資料を無料で受け取る

 

5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

⇒ ロジカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

⇒ クリティカルシンキング研修の資料を無料で受け取る

 

7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

⇒ リーダーシップ研修の資料を無料で受け取る

 

8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

⇒ ビジネスマナー研修の資料を無料で受け取る

 

9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

⇒ 防災研修の資料を無料で受け取る

 

10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

⇒ OODA LOOP研修の資料を無料で受け取る

 

⇒ その他の研修はこちら

⇒ お客様の声はこちら

この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

よく読まれている記事