ボードゲーム「カタン」とは?学べるスキル・研修に活用するメリットを紹介

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世界中で楽しまれている「カタン」というボードゲームがあります。学校の授業や企業の研修で実施するケースもあるようですが、どのような効果があるのでしょうか。

本記事では、「カタン」とはどのようなボードゲームなのか、ルール、特徴・面白さ、ゲームを通して学べるスキル、研修に活用するメリットと、取り入れる際のポイントを解説します

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ボードゲームの「カタン」とは

「カタン」は、1995年にドイツで生まれたボードゲームです。プレイヤーはカタンという無人島の入植者になり、開拓競争を行ってポイントを競い合います。202412月時点での累計販売数は4,500万個以上と、世界中で多くの人に楽しまれています。

また、のちほど詳しく紹介していますが、ただ楽しい・完成度が高いというだけでなく、ゲームを通してさまざまなスキルが学べるというのが、この「カタン」の特徴です。そのため、「娯楽」としてではなく「学びのツール」として、学校の授業や企業の研修にも活用されています。

日本選手権・世界選手権も開催される人気のボードゲーム

玩具メーカーの株式会社ジーピーは、2012年より「カタン」の日本選手権を開催しています。11回目となる2025年の大会は、まず全国の7つの会場で地区大会が行われ、それを勝ち上がると、東京・表参道で開催されるファイナルに出場できることになっています。

また、2年に一度のペースで「カタン」の世界選手権も開催されています。世界選手権には、世界40か国以上から参加者が集まります。日本選手権で優勝した人には、世界選手権への切符も授与されることになっています。

「カタン」は、このような大きな大会が開催されるほど、世界中で多くの人に愛されているボードゲームなのです。

参考:日本最大のボードゲーム選手権「カタン日本選手権」 | 株式会社ジーピーのプレスリリース

ボードゲーム「カタン」のルール

ではここからは、ボードゲーム「カタン」のルールを簡単に説明します。「カタン スタンダード版」は、34人でプレイします。

まずは、ゲームの準備です。ゲーム盤を組み立て、プレイヤー同士でじゃんけんをするなどしてプレイの順番決め、各プレイヤーは最初のコマを設置します。これにかかる時間は、およそ10分です。

そして準備ができたら、ゲームを始めます。プレイ時間の目安は約1時間、おおまかな流れは以下の通りです。

  1. 自分のターンになったら、2つのサイコロを振る。
  2. 2つのサイコロの目を合計し、その数字に応じて資源を獲得する。
  3. アクションを行う(他のプレイヤーと資源の交換、街道・開拓地の建設など)。

これを順番に繰り返していき、最初に10ポイントを獲得して勝利宣言をした人が勝者となります。勝利宣言は、自分のターンのときにしか行うことができません。

「カタン スタンダード版」を販売している株式会社ジーピーのサイト内では、取扱説明書が公開されています。小学生用の説明書、大会公式ルールも公開されていますので、ご覧になってみてください。

公式サイト:カタン スタンダード版 | 株式会社ジーピー

また、日本カタン協会の公式ページでも、遊び方がわかりやすく解説されていますので、参考にされてはいかがでしょうか。

公式サイト:遊び方&用語集 «カタン (CATAN) 日本カタン協会公式ページ

ボードゲーム「カタン」の特徴・面白さ

ボードゲーム「カタン」は、最初に地形タイルや数字チップを配置してゲーム盤を作りますが、この配置は好きなように変えることができます。毎回違うゲーム展開を楽しむことができるため、飽きることがありません。また、資源の交換というアクションを通じて、他のプレイヤーと会話が生まれるという点も、このゲームの特徴です。

そして、「カタン」は戦略・戦術が求められるゲームですが、自分以外のプレイヤーがサイコロを振ったときにも資源を獲得できるため、「運」が勝敗左右する部分もあります。戦略や戦術だけで勝てるというわけでもなく、初心者でも経験者に勝てる可能性があるというのが、このゲームの魅力的なところです。

ボードゲーム「カタン」は研修にも活用できる

先ほどお伝えしたように、ボードゲーム「カタン」は企業の研修に取り入れられることもあります。ここからは、「カタン」でどのようなスキルを学べるのか、研修に活用するメリット、取り入れる際のポイントについて、詳しく見ていきます。

「カタン」で学べるスキル

まずは、ボードゲーム「カタン」を通して学べるスキルを紹介します。

交渉力

他のプレイヤーと資源を交換する際には、交渉が必要になります。たとえば、自分が欲しい資源Aを、他のプレイヤーが持っているとします。その際、「あなたの資源Aと私の資源Bを交換しましょう」と提案しても、資源Bが相手にとって何もメリットがないものであれば、当然受け入れてくれる可能性は低くなります。交渉を成立させるには、「自分が相手だったら、今自分が持っている資源のうちどれが欲しいだろう?」「どのような言い方をすればメリットを感じてもらえるだろう?」などを考え、提案する必要があるのです。

ビジネスにおいても、交渉の際はWin-Winの結果(自分にとっても、相手にとっても良い結果)を目指すことが非常に重要です。Win-Lose(自分だけが得をするような結果)では、そのときは利益を得られるかもしれませんが、相手との関係が崩れてしまう可能性があります。

「カタン」は、ゲームを通してこのような交渉術を学ことができます。

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マネジメント力

ここでいうマネジメントとは、「資源や時間などをきちんと管理し、効率的に活用すること」を意味します。「カタン」で勝つためには、自分が持っている資源を「いつ、どのタイミングで使うのが効率的か」を考えながらゲームを進めていく必要があります。そのため、マネジメント力が鍛えられるでしょう。

マネジメント力というと、リーダーやマネジャーに求められるスキルというイメージを持っている人もいるかもしれません。しかしマネジメント力は、ビジネスパーソンなら誰でも身につけておくべきスキルです。自分のタスクや時間を上手にマネジメントできるようになると、仕事がよりスムーズに進むようになり、成果にもつながりやすくなるでしょう。

戦略的思考

「カタン」は、最初に10ポイントを獲得して自分のターンのなかで勝利宣言をした人が勝者となりますが、その条件を満たす方法は複数あります。どのようにして勝利の条件を満たすかを考えるなかで、戦略的思考が磨かれるでしょう。

具体的には、開拓地を多く作るのか、できるだけ都市化するのか、発展カードを購入するのか……、などの戦略があります。ゲーム終了後にどのような戦略をするのがよかったのかを、グループのメンバー同士で話し合う時間を設けるのもおすすめです。そうすることで、メンバー間の交流も促せます。

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「カタン」を研修に活用するメリット

研修にボードゲーム「カタン」を活用することで、以下のような効果が期待できます。

楽みながらビジネススキルを習得できる

研修で「カタン」を実施することで、前項で紹介したようなスキルを「楽しみながら」習得できます。

交渉力やマネジメント力、戦略思考などは、講義だけで実践までつなげるのはなかなか難しいものです。自分たちで考えたり、身体を動かしたりして学ぶプログラムがあったほうが、スキルとして身につきやすくなります。さらに「楽しい」要素があると、研修効果がより高まるといわれているので、「カタン」は上記のようなスキルの習得に有効と考えられます。

メンバー間の交流が活発になる

研修にゲームを取り入れることで、メンバーの間の交流を促せるというメリットもあります。

「カタン」は、メンバー同士で資源を交換する際に自然に会話が生まれます。また、「カタン」は初心者でも遊べるゲームですが、最初は少しルールが難しく感じられるかもしれません。経験者と未経験者を同じグループにして、経験者が未経験者にルールや戦術を教えながらプレイしてもらうようにすると、そこでもコミュニケーションが生まれます。メンバーの交流を促したい場合には、グループ分けも工夫してみてください。

モチベーションや主体性が高まる

せっかく研修を実施しても、参加者が「受け身」の姿勢では、狙った効果は得られません。研修にゲームを取り入れると、その場全体が盛り上がり、参加者のモチベーションや主体性が高まりやすくなります。モチベーションや主体性が高まれば、その後の講義やワークにも積極的に・集中して取り組んでくれるようになるでしょう。

「カタン」を研修に取り入れる際のポイント

ボードゲーム「カタン」を研修に取り入れる場合、ゲーム後に振り返りの時間を設けることをおすすめします。たとえば、「交渉がうまくいった場面はどこか?」を振り返ってもらうことで、交渉の際に相手にとってのメリットを考えることの重要性を学べます。また、参加者に「資源の管理で苦労した点や改善点」を尋ねることで、事前の計画や柔軟な対応力について振り返ることもできます。逆に、振り返りの時間を設けないと、ただ「楽しい時間だった」というだけで終わってしまう可能性があるでしょう。

また、勝敗ではなく楽しさを重視するというのもポイントです。終了条件を独自のものにしてプレイ時間を短くしたり、よりカジュアルに楽しめるようルールを調整したりすることも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

日本選手権や世界選手権も開催されている人気のボードゲーム「カタン」は、ゲームを通して交渉力、マネジメント力、戦略的思考などのスキルも学べるため、企業の研修にもおすすめです。研修に取り入れることで、メンバーの交流促進、モチベーションや主体性の向上といった効果も期待できるでしょう。

※本記事に記載の情報は、20253月時点の情報です。購入前に最新情報をご確認ください。

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あそぶ社員研修編集部

あそぶ社員研修は、企業の研修担当者向けのお役立ち情報を発信するメディアです。研修に関するノウハウ、組織・人材開発の手法、ビジネススキルなどをわかりやすく紹介します。

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