ウォーキングミーティングとは?導入することで得られる効果を解説

  • 組織・人材開発

体や心の健康状態は、パフォーマンスや生産性にも影響を与えます。社員の健康を守るために「ウォーキングミーティング」という新しいミーティングのスタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。

本記事では、ウォーキングミーティングとは何か、どのような効果があるのか、実施する際の注意点と、効果を高めるポイント、ウォーキングミーティングの事例を紹介します

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ウォーキングミーティングとは

ウォーキングミーティングとは、その名の通り歩きながら行うミーティングのことです。一般的にミーティングは、机と椅子のある場所で座って行います。これを外で歩きながら行うことで、創造性が高まる、コミュニケーションが活性化するなどの効果があるといわれています。さらに、仕事をしながら運動ができるという点も魅力です。スティーブ・ジョブズ氏やマーク・ザッカーバーグ氏など、著名な実業家たちもウォーキングミーティングを好んで行っていたといわれています。

オフィス近くの公園、散歩コースなど、場所はどこでも構いません。ウォーキングミーティングを実施するなら、まず実施する場所(コース)を決め、対象者にウォーキングミーティングを実施する旨、日時と集合場所を伝えます。そして当日は、参加者に動きやすい服装で(必要に応じて水分なども持参してもらい)集まってもらうだけです。特別準備が必要なものなどはありませんが、ウォーキングミーティングは通常のミーティングのようにメモを取ることができません。会話の内容を記録できるよう、ICレコーダーを用意しておくか、スマートフォンの録音機能を活用するとよいでしょう。

ウォーキングミーティングの効果

では、歩きながらミーティングを行うことで、どのような効果が期待できるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

仕事をしながら健康づくりもできる

厚生労働省の資料『座位行動』によると、日本人は海外の人に比べて座位行動を行っている時間が長いとされています。同資料では、座っている時間が長い人は座りすぎていない人に比べて、2型糖尿病や心臓病に罹患するリスクが高い、肥満度が高い、寿命が短いなどのデータも紹介されています。

参考:座位行動 – 厚生労働省(PDF)

忙しいなかで運動する時間をつくり、続けていくのはなかなか難しいものです。ウォーキングミーティングを導入し、仕事のなかに運動を組み込むことで、一日の運動量を増やすことができます。

また、歩くことは脳やメンタルにとっても良いことです。具体的には、リラックスできる、不安が軽減される、外で自然に触れることで自己肯定感が上がるなどの効果があるといわれています。

このように、仕事をしながら健康づくりができるというのが、ウォーキングミーティングの大きなメリットです。

脳が活性化する

前項でお伝えしたように、歩くことは脳にとっても良いことです。脳が活性化すると、記憶力や創造力、集中力が向上するといわれています。仕事の面では、アイデアが生まれやすくなる、業務が効率化する、生産性が向上するなどの効果が期待できるでしょう。

また、ウォーキングミーティングを好んで行っていたとされる著名人たちは、創造力を高める方法として実践していたようです。オフィスから離れて体を動かすことで、凝り固まった思考がほぐれ、アイデアが浮かびやすくなると考えられます。「社内ミーティングではいくら考えても何も出なかったのに、同僚と話しながら帰宅している途中でいきなりアイデアが浮かんだ」というような経験がある人も多いのではないでしょうか。ウォーキングミーティングを実施することで、同じような効果が期待できます。

コミュニケーションが良好になる

一般的なミーティングは、対面もしくはテーブルを囲むようにして座ることが多いです。ビジネスマナーとして、上座・下座など座る位置も気にしなくてはなりません。立場や上下関係がわかりやすいため、発言が少なくなってしまったり、対立が生まれやすくなったりする部分もあるのではないでしょうか。

ウォーキングミーティングは、参加者は同じ方向(進行方向)を向いて横並びで歩きます。そのため、「同じ方向に向かっていくチーム」という感覚が生まれやすいと考えられます。また、目線が合わないので、相手が自分より立場が上の人でも威圧感を感じにくく、フラットなコミュニケーションが取りやすくなるでしょう。

会社の規模が大きくなると、若手社員はなかなか階級が上の人と直接コミュニケーションをとる機会がないというケースもあります。コミュニケーション不足解消の手段としても、ウォーキングミーティングは有効と考えられます。

ウォーキングミーティングの注意点

さまざまな効果が期待できるウォーキングミーティングですが、どのようなミーティングにも向いているわけではありません。たとえば、資料を見ながら話し合う必要がある場合、ホワイトボード等を活用したほうが効率的な場合、何か一つの答えを出すことを求められるような場合は、ウォーキングミーティングよりも通常のミーティングスタイルが適しています。交渉や折衝も、横並びで話すより面と向かって話したほうが効果的と考えられます。

ウォーキングミーティングは、何かアイデアが必要な場合や、報告、相談、情報共有、意見交換などに向いているスタイルといえます。何でも歩きながら話せばよいというわけではありませんので、注意しましょう。

また、ウォーキングミーティングは大人数のミーティングにも向いていません。ハーバード・ビジネス・レビューの記事では、人数は「最大3人」とされています。

参考:How to Do Walking Meetings Right – Harvard Business Review

道幅が狭いところでは3人でも横並びで歩くと邪魔になりますので、11を基本とするのがよいのではないでしょうか。

その他の注意点としては、ウォーキングミーティングはあらかじめ計画していても天候等の都合で実施できなくなるケースもあること、誰もがウォーキングミーティングに参加できるとは限らないこと(例:足腰が悪い、花粉症 など)などが挙げられます。

ウォーキングミーティングの効果を高めるポイント

次に、ウォーキングミーティングを効果的に実施するためのポイントを紹介します。

適切なルートを考える

ウォーキングミーティングは、どのような場所(ルート)で実施するかが非常に重要なポイントとなります。ルートを考える際は、以下の点を意識してみてください。

  • 全員が同じペースで歩けるような歩きやすい場所
  • 静かな場所(騒がしいと、お互いの声が聞き取れず、せっかく時間を作ったのに有意義な話し合いができない可能性があります)
  • 適切な距離

また、社員のなかには「仕事が忙しいのに、どうしてわざわざ外で話し合うのだろう?」と感じる人もいるかもしれません。意欲的に参加してもらうために、ルートのなかに社員が興味のある場所や、仕事と直接関係ない場所を含めることも検討してみてください。

その他のポイント

ルート以外の重要なポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 業務時間内に行う。
  • 参加者には数日前に知らせる。
  • 実施後はまとめの時間を設ける。

ウォーキングミーティングにはリフレッシュ効果もありますが、「休憩」ではなく「仕事」ですので、必ず業務時間内に行うようにしてください。また、ウォーキングミーティングを実施するとなると、参加者としてもいろいろと準備が必要になります(動きやすい服・靴、防寒対策、水分の準備など)。「今からちょっと外を散歩しながら話しましょう」ではなく、数日前に提案するようにしましょう。そして、ウォーキングミーティングを実施したらそれで終わりではなく、オフィスに戻ったあとで話し合った内容をまとめる時間を設けることも重要です。

ウォーキングミーティングの事例

最後に、ウォーキングミーティングを実施した2社の事例を紹介します。

HPCシステムズ株式会社

HPCシステムズ株式会社は、科学技術計算向けの高性能計算機や、産業機械向けの組込型計算機の開発、製造、販売などを行っている企業です。本社は東京に、国内であれば京都と名古屋に営業所があります。

HPCシステムズ株式会社のホームページでは、一つの社内イベントとして、京都でウォーキングミーティングを開催した際のレポートが紹介されています。参加者10名で、約18kmのコースを歩きながら、今期の振り返りや今後について話し合ったそうです。

最近は、健康づくりの取り組みとしてウォーキングイベントやハイキングイベントを実施する企業もあります。これらとミーティングを組み合わせてみるのもよいかもしれません。HPCシステムズ株式会社のようにいろいろな事業部や部署から参加者を集めれば、相互理解も深められるでしょう。

参考:事例ファイル05<心身の健康づくり> | HPCシステムズはすべての研究開発者に計算力を提供します。 – HPCシステムズ株式会社

コクヨ株式会社

コクヨ株式会社は、文房具やオフィス家具の製造・仕入れ・販売や、空間デザインなどを行っている企業です。

紹介したように、ウォーキングミーティングは著名な実業家たちも好んで行っていたといわれています。コクヨ株式会社は、一般のワーカーが実施するとどれくらい・どのような効果があるのかを検証するため、2020年に実証実験を行いました。上司と部下の2人で実施したところ、参加者からは横並びのため自然にポジティブな気分で会話ができる、打ち合わせの効率化につながりそうなどの感想があったそうです。そして、ウォーキングミーティングは若手マネジャーにおすすめと結論づけています。

詳しくは、コクヨ株式会社のホームページをご覧ください。

参考:Walking Meetingプロジェクト_実証実験 | コクヨのMANA-Biz – コクヨ株式会社ファニチャー事業部

まとめ

ウォーキングミーティングを導入することで、脳が活性化し、記憶力、創造力、集中力が高まるといわれています。また、運動不足解消、メンタルの良い状態を保つことにも寄与するでしょう。パフォーマンスや生産性向上、社員の健康維持・増進のために、ウォーキングミーティングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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以下では、講義・アクティビティ一体型の研修テーマの例を紹介します。

1.合意形成・アサーティブコミュニケーション研修

合意形成・アサーティブコミュニケーション研修のアクティビティ「コンセンサスゲーム」では、危機的な状況下でどの物資を優先して確保すべきかをチーム内で議論し、最適な結論を導きます。

学びのポイント

  • 各々が個人ワークで考えた答えを聞くことで、チームメンバーの状況に対する認識や物資の重み付けの違いを受講者が理解する
  • 話し手は自分の答えにいたった理由を論理的・説得的に説明する
  • より良い根拠を導き出すための比較検討をして、チーム全員が納得する結論を出す

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2.PDCA研修

PDCA研修のアクティビティ「ロケットPDCAチャレンジ」では、パーツを組み合わせてロケットを制作し打ち上げ結果から原因を考えて、より良く飛ぶロケットに改善していき、目標の達成を目指します。

学びのポイント

  • 計画を立ててロケットを飛ばし、その結果から組み合わせの誤り・部品の不足・不良部品の有無を推察し、それを繰り返すことで組み合わせの精度を上げていく
  • 資金稼ぎ・パーツの選択・打ち上げの準備を繰り返し、作戦タイム振返りを経て行動を改善していくことで、最適化されていく

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3.戦略思考研修

戦略思考研修のアクティビティ「ワールドリーダーズ」では、労働力や資本を使って事業を設立し、利益を稼ぐことを目指します。

学びのポイント

  • 不確実な状況のなかで自チームにとって最適な行動方針を考え、実行していく
  • 戦略を決めるために与えられた手段のなかでどの情報を取得していくかの優先順位決めが求められる

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4.コミュニケーション研修

コミュニケーション研修のアクティビティ「謎解き脱出ゲーム」では、チームでコミュニケーションをとりながら問題に隠された法則を発見する謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 受講者が「自分しか見えていない情報・問題・解き方」をチームで共有することでコミュニケーション促進やスキルアップにつながる
  • 突飛な発想・ヒラメキをチームのなかで積極的に発言できる心理的安全性の高い環境づくりが求められる

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5.ロジカルシンキング研修

ロジカルシンキング研修のアクティビティ「リアル探偵チームビルティング」では、チームに配られた断片的な情報を取捨選択し、論理パズルを完成させ、全問正解を目指します。

学びのポイント

  • 小グループで得られた情報を論理的に整理し、確定情報・曖昧情報・不要な情報を選り分ける
  • 大グループで全体に必要な情報を論理的に判断・共有することや、自分たちに足りない情報を聞き出すことが求められる

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6.クリティカルシンキング研修

クリティカルシンキング研修のアクティビティ「混乱する捜査会議からの脱出」では、推理ゲームで論理的に情報を整理するなかで証拠の違和感に気づき、仮説立てや検証を行って目標を達成します。

学びのポイント

  • 証拠品や証言など多くの情報を手分けして読み、組み合わせて論理的に結論を導き出す
  • フェーズが進むごとに情報が増え、複雑になっていくなかで必要な情報を取捨選択する
  • 出た結論に満足せず、常に新しい情報と照らし合わせて再検証する

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7.リーダーシップ研修

リーダーシップ研修のアクティビティ「グレートチーム」では、チームの運営を疑似体験することでリーダーシップやマネジメントを学びます。

学びのポイント

  • メンバーのリソース管理や育成、リーダーとしての決断を繰り返すことで、いろいろなリーダーシップの型を知ることができる
  • 現代に合わせたリーダーシップの発揮の必要性を知り、自分らしいリーダーシップを学べる

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8.ビジネスマナー研修

ビジネスマナー研修のアクティビティ「ビジトレ」では、実践形式・クイズ形式のアクティビティを通して、ビジネスマナーを楽しく学びます。

学びのポイント

  • 堅い内容になりがちなビジネスマナー研修にゲーム形式を取り入れることで、受講者が没入して学べる
  • 名刺交換や報連相などを実行し、動作・マナーに慣れることで、翌日から実践できるようになる

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9.防災研修

防災研修のアクティビティ「先が見えない防災訓練からの脱出」では、チームで協力して、防災のアイテムや知識を使用しながら謎解きゲームのクリアを目指します。

学びのポイント

  • 謎解きの答えが災害時のNG行動にまつわる内容となっており、解説時になぜ行なってはいけないかもセットで学ぶ
  • 被災時は様々な情報が飛び交うため、情報を取得する際にどのようにすれば惑わされないかを学ぶ

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10.OODA LOOP研修

OODA LOOP研修では、瞬間的な判断力が求められる運動系のアクティビティである「サバイバルゲーム」または「チャンバラ合戦」を実施することで、意思決定のフレームワークである「OODA LOOP」を実践的に習得することを目指します。

学びのポイント

  • 敵チームをよく観察して作戦を練り、状況に応じた行動を素早く判断しながら、チームで共有して一体となって行動する
  • ミッションの勝利条件をもとに、観察、判断、行動を繰り返すことで、本当にすべき行動が何なのか、行動の最適化を行う

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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