チームビルディングの研修事例9選!成功のポイントを学ぼう

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チームビルディングとは、社員全員で協力して目標を達成できる強いチームをつくるための取り組みのことです。チームビルディングにより、社員同士のコミュニケーションが活発になり、業務が円滑に進むようになるだけでなく、モチベーションやエンゲージメントの向上も期待できます。そのため、チームビルディングにつながるビジネスゲームやアクティビティなどを、社内研修に盛り込む企業も増えています。

今回は、チームビルディングにつながる研修の事例を、リアル(対面形式)とオンラインに分けて紹介します。研修を成果につなげるポイントを、事例から学んでいきましょう。

 

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【リアル研修】チームビルディングの事例6選

まずは、リアル研修でのチームビルディングの事例です。

1.日清食品ホールディングス株式会社

日清食品ホールディングス株式会社は、即席麺やチルド食品、冷凍食品などの製造・販売事業を行っている企業です。

骨太の管理職を育成するため、これまでにも山修行や被災地ボランティアなど、新任管理職を対象としたさまざまな研修を実施してきた日清食品ホールディングス株式会社。2017年は、瀬戸内海に浮かぶ無人島で2泊3日の新任管理職研修を実施し、外国籍管理職10名(うち女性が5名)と日本国籍管理職20名(うち女性が1名)の新任管理職約30名が参加しました。

この研修では、携帯電話や財布などの私物は全て没収されます。支給されるのは、1日1食の「チキンラーメン」などわずかなもののみ。それ以外は社員同士で協力して島内で調達し、3日間生活しなければなりません。無人島生活をしながら、チーム単位でさまざまな課題解決に取り組む「チームアクティビティ」も行います。

この研修は、チームで課題に取り組むことで、一人ひとりの創造力と判断力、リーダーシップ、自活力を高めるとともに、国籍や性別を超えた結束力を強化することを目的としています。また、大自然の中での生活を通して、“食”の大切さを再認識してもらうことも狙いの一つです。

参考:海外グループ企業の外国籍管理職も初参戦! 骨太の管理職を育成する新任管理職向け「無人島研修」を実施 | 日清食品グループ 

2.アサヒロジスティクス株式会社

アサヒロジスティクス株式会社は、食品の物流に特化した事業を展開している企業です。毎日17,500ヵ所以上の店舗や物流拠点へ食品を運び、約500万もの人々の暮らしを支えています。

アサヒロジスティクス株式会社では、サービスドライバーとして新たに入社した社員を対象に、3泊4日の新人研修を実施しています。ドライバー経験の有無にかかわらず、全員が受講する研修です。研修場所は、2017年3月に開設した総合安全研修施設「滑川福田センター」。約3,500坪の敷地の中に、物流業界でも数少ないトラック専用コースやドライブシミュレーターが完備されています。

この新人研修は、週1回のペースで実施されています。同時期に入社した社員と一緒に受講するので、同期との絆を深める機会にもなっています。

また、新人研修の2~4ヵ月後には、一緒に新人研修を受けた社員を集めてフォローアップ研修を実施しています。社員が実際に現場に出て感じた課題や悩み、経験談などを共有する場を設け、チームとしての意識向上を図っています。

参考:研修センター | 食品物流のエキスパート|アサヒロジスティクス

3.株式会社ファーベストニシカワ

株式会社ファーベストニシカワは、家具や建具の製作、取り付け、木材部材加工などの事業を行っている企業です。

株式会社ファーベストニシカワでは、定期的に社内勉強会を開催しています。社員が先生役となってテーマを決めて発表や意見交換をしたり、メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手が高校時代に使っていたという目標達成ツール「マンダラチャート」を使った議論を行ったりして、チームの結束力を強化しています。

ある日の社内勉強会後には新入社員の歓迎会も開催し、その中でモルックというスポーツを実施しました。レクリエーションとして取り入れたものでしたが、「チームビルディングに通じるものがある」と感じたそうです。

参考:FBNブログ | 株式会社 ファーベストニシカワ 京都 木工所 店舗什器 家具

モルックとは?

モルックとは、フィンランド発祥のスポーツです。大会や地域で細かいルールは多少異なりますが、モルックという木の棒を投げて、木製のピンを倒してチームで点数を競います。点数は、ピンに書かれた数字や倒したピンの本数で決まります。

2019年には、お笑い芸人コンビ「さらば青春の光」森田哲矢さんがフランス大会の日本代表として出場したことでも注目を集めているスポーツです。

モルックがチームビルディングにつながる理由

モルックは、以下のような特徴があることから、最近では楽しくチームビルディングできるスポーツとしても注目されています。

  • 「棒を投げてピンを倒す」という簡単なルールであるため、年齢・性別を問わず誰でも参加できる。
  • 身体を動かすことで緊張がほぐれ、自然とコミュニケーションが活発になる。
  • 個人のパフォーマンスだけでなく、チームでの役割分担や戦略が勝敗を左右する。

モルックは、「チームで目標を達成する」ということを楽しく体験できるスポーツなのです。

4.株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントは、メディア事業やインターネット広告事業、ゲーム事業などを行っている企業です。

2022年の株式会社サイバーエージェントの新卒研修は、オフラインを主軸としながらも、一部オンラインを併用して実施されました。株式会社サイバーエージェントには、ビジネスコース・エンジニアコース・クリエイターコースという3つの職種があります。新卒研修は、まずは3つのコース合同の研修、そのあとにコース別の研修という流れで行われました。今回は、合同研修の内容を紹介します。

6日間に渡って行われた合同研修では、新入社員はチームで会社説明資料をつくり、プレゼンテーションをするという課題に取り組みました。新入社員241人をいくつかのブロックに分けて、さらにその中でチームを組み、各ブロックの上位に選ばれたチームが最終プレゼンに進むという流れです。

最終プレゼンには、株式会社サイバーエージェントの役員も審査員として参加しました。審査基準は「オリジナリティ」。役員と同期の投票により、各役員賞と総合優勝チームが決められました。

この研修を通して新入社員は、「企業を自分たちでつくっていく」というオーナーシップを身につけることができました。

参考:サイバーエージェント2022年 新卒研修をご紹介! | CyberAgent Way サイバーエージェント公式オウンドメディア

5.株式会社スカイアーチネットワークス

株式会社スカイアーチネットワークスは、システム運用やセキュリティに関するマネジメント業務などを行っている企業です。

株式会社スカイアーチネットワークスでは、社内研修に「ドラマジック」を導入しています。ドラマジックとは、アソブロック株式会社が提供するサービスで、演劇のメソッドを活用してコミュニケーション力を鍛えるワークショップです。

参考:ドラマジック|コミュニケーションが“劇”的に変わる

ドラマジックがチームビルディングにつながる理由

ドラマジックを研修に導入することで、以下のような効果が期待できます。

  • 身体を動かすことで雰囲気が和らぎ、自然にコミュニケーションが活発になる。
  • 人によって表現の方法が違うこと、コミュニケーションは非言語的な部分も重要であることに気づける。
  • コミュニケーションスキル(対応力、即興力、想像力)が身につく。

ドラマジックを導入した株式会社スカイアーチネットワークスの研修では、採用時点では見えなかった新たな一面を見せる社員も多いそうです。また、研修後は社員が自発的にコミュニケーションをとったり、自己開示をするようになったりなどの変化も見られたといいます。

参考:株式会社スカイアーチネットワークス様に、ドラマジック研修についての感想を聞きました。 – あ総研

6.ALH株式会社

ALH株式会社は、労働者派遣事業や有料職業紹介事業を行っている企業です。

2018年5月、ALH株式会社は、子会社である農業法人「トゥリーアンドノーフ」で新入社員研修を実施しました。期間は7泊8日。新入社員は、農業体験を含むさまざまなプログラムを通して、課題発見力やストレスコントロール力、実行力、計画力などを身につけます。

新入社員にはチームごとに、研修終盤に合流する先輩社員に対して、「農作業の作業効率をいかに上げるか」をプレゼンテーションするという課題が与えられました。新入社員たちは、プログラムの合間にチームの時間をつくって、「課題を見つける→仮説を立てる→改善策の検討する」ということをこなさなければなりません。

そして研修終盤、プレゼンテーションが行われました。どのチームも素晴らしい内容で、普段から農業を行っていない研修生がわずか7泊8日の間にトゥリーアンドノーフが抱えるボトルネックに気がつき、その上で実現可能性の低いただの理想論ではなく、大胆ではあるものの緻密な改善案を複数提案されたことから、日々農作業に向き合っているトゥリーアンドノーフの代表も「感動した」と、企業のブログに綴っています。

参考:2018年新入社員農業研修 | 革新的農業を実践する TREE&NORF/トゥリーアンドノーフ

【オンライン研修】チームビルディング事例3選

次に、オンライン研修でのチームビルディングの事例です。

1.ヤフー株式会社

ヤフー株式会社は、イーコマース事業や会員サービス事業、インターネット広告事業などを行っている企業です。

2020年の新人研修は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、フルオンラインでの開催となりました。ヤフー株式会社は、「技術スキルの基礎を習得する」「自ら学ぶ力を身につける」など、新人研修のゴールを複数設定しています。「同期同士の関係構築」もゴールの一つですが、フルオンライン開催となった2020年は、このゴールに特に課題が残りました。

そこでオンラインでも同期同士が良い関係を築けるよう、2021年の新人研修(エンジニア)では、さまざまな工夫を取り入れました。

「偏愛マップ」でお互いを知る

自分が愛してやまないものを1ページの中に書き込んだマップを、「偏愛マップ」といいます。明治大学文学部教授の齋藤孝さんが、著書『偏愛マップーキラいな人がいなくなる コミュニケーション・メソッド』の中で紹介したものです。

ヤフー株式会社は、この偏愛マップを、コミュニケーションのきっかけづくりとして研修に取り入れました。まずは4~5人ずつのグループに分かれ、お互いのマップを見て質問し合います。そしてグループをシャッフルして、もう一度同じことを行いました。

マップに書き込まれたものの中に共通点があれば、会話のきっかけになります。また、偏愛マップを作成することで、自分自身のことも改めて深く理解することができます。

社員からも好評で、最近では1on1ミーティングの際に偏愛マップを添付するなど活用している社員もいるそうです。

グループワーク

ヤフー株式会社の新人研修(エンジニア)には、チームでの開発演習があります。初日には、それぞれが過去・現在・未来を表す画像を持ち寄り、全員で話し合ってチーム名とスローガンを決め、一つの画像にまとめるというチームビルディングを実施しました。これからチームで開発に取り組んでいくために、相互理解を深めることを目的に行われたものです。そのあと、Zoomのブレイクアウトルーム機能を使って、チームごとに開発に取り組んでもらいました。

チームで一つの課題に取り組んでもらうことで、自然とコミュニケーションが生まれます。実際に研修を受けた新入社員からも、「話題を考えなくても話しやすい」「雑談もできるようになった」などの声があったようです。

参考:ヤフー式新人研修 〜 フルオンラインでエンジニア研修を作った話 – Yahoo! JAPAN Tech Blog

2.株式会社メルカリ

株式会社メルカリは、マーケットプレイス事業やフィンテック事業などを行っている企業です。

株式会社メルカリのCRE Mobileチームは、顧客体験の向上を目指すチームです。リモート勤務体制が始まり、何日も自宅に引きこもって黙々と仕事をしているメンバーに「人と話す機会」を提供するため、オンラインでチームビルディングを行いました。

メンバーは、Googleのハングアウト上に集まり、全員で「Gartic.io」というゲームを楽しみました。「Gartic.io」とは、チャットを使ってメンバーが何の絵を描いているのかを当てるという、シンプルなゲームです。メンバーの画力によっては笑いが起こることもあり、コミュニケーションの活性化につながったようです。また、この日の飲食費は、チーム内で経費精算可能としました。

リモートワークだと、特に「何気ないコミュニケーション」が生まれにくくなるため、孤独や不安を感じる人も多いといわれています。これらを解消するために、あえて仕事から離れたコミュニケーションの機会を持つことはとても大切です。

参考:リモートでチームビルディング!?メルカリCRE Mobileチームの試みに参加してみた #メルカリな日々 | mercan 

3.株式会社ニット

株式会社ニットは、オンラインアウトソーシングや海外進出支援、オンライン学習などの事業を行っている企業です。2021年12月、オンラインでのチームビルディングの可能性を見出すために、「相互理解」をテーマとしたオンライン合宿を実施しました。参加者は社長を含め20名。ツールはZoomを使用して行われました。

株式会社ニットは、相互理解を深めることと、普段の業務ではあまり接点のないメンバーと意見を交換してシナジーを生み出すことの2点を意識して、オンライン合宿を実施しています。そのためコンテンツはディスカッションをメインとし、役職や年齢に関係なく心理的な距離を縮められるように、メンバー同士あだ名などで呼び合うこととしています。

また、より生産性の高いディスカッションをするために、冒頭で必ず合宿のテーマと目的をメンバー全員に伝えています。さらに今回の合宿では、バリューカードで価値観を共有して相互理解を深めました。バリューカードとは、4〜6人でおよそ30分程度かかるカードを用いたゲームを通し、自分の価値観を説明していくワークショップです。

合宿の後は、家族も参加できるレクリエーションも行っています。今回のレクリエーションでは、一人も被らないように1から50まで数えるという「カウントアップ」というゲームを実施し、楽しくチーム力を高めました。

参考:相互理解からチーム力を高める、オンライン事業合宿を実施<12月10日開催レポート> | 株式会社ニット

チームビルディングの概要については、以下の記事で詳しく紹介しています。

チームビルディングとは?チームづくりのポイントや具体例を含めて網羅的に解説

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まとめ

チームビルディングには、ビジネスゲームや合宿、グループワーク、スポーツなど、さまざまな方法があることがわかりました。「チームで協力して同じ目的を達成する」という体験をすることで、チームの結束力が強化されます。「あそび」や「楽しさ」の要素を研修のプログラムに盛り込むと、社員同士のコミュニケーションも自然と活発になり、モチベーションやエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。

チームワークやコミュニケーションに課題を感じているなら、社内研修でチームビルディングを実施してみてはいかがでしょうか。

 

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この記事の著者

あらたこまち

雪国生まれ、関西在住のライター・ラジオパーソナリティ・イベントMC。不動産・建設会社の事務職を長年務めたのち、フリーに転身。ラジオパーソナリティーとしては情報番組や洋楽番組を担当。猫と音楽(特にSOUL/FUNK)をこよなく愛し、人生の生きがいとしている。好きな食べ物はトウモロコシ。

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