【調査レポート】「若手社員の研修」に関する実態調査を実施。約4割が「実務に役立つかわからない」と不満

2023年11月29日(水)

社員のエンゲージメントを高める「あそぶ社員研修」を手掛ける株式会社IKUSA(本社:東京都豊島区、代表取締役:赤坂 大樹)は、入社1〜3年目の若手社員を対象に「新人・若手社員の研修に関する調査」を実施いたしました。

若手社員の育成は、企業の成長や人材の定着化にとって重要な取り組みです。ですが、価値観が多様になった若手社員に、従来の育成方法が通用せず、苦慮されている企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回の調査では、入社3年目までの若手社員の「研修」に絞って調査を行いました。若手社員が参加した研修の実態、定着した研修の特徴、また研修に何を求めているかが明らかになりました。人材育成に携わっている方々に、参考としてご覧いただけたら幸いです。

調査結果の詳細については以下のレポートをご覧ください。

 

調査結果サマリー

・若手社員が受けたことのある研修形式の実施率は、対面が約7割、オンラインが約6割でした。内定〜入社前まではオンラインでの実施率が高く、入社後は対面の実施が増えていきます。

・研修の満足度や効果について、対面とオンラインという研修形式別での差異は大きくありませんが、「オンラインでのグループワーク」は49.1%と低い結果になりました。グループワークに期待される一体感や主体性が得づらいと考えられます。

・研修に不満を感じるポイントは「自分の実務に役立つのかわからない(41.0%)」が最多となりました。研修で得た学びをどう実務に活かすのか、参加者に浸透されていないことがわかります。

・研修が業務に役立ったポイントの上位3つは「研修の目的がはっきりしている(30.0%)」「実務に直結している(24.8%)」「座学のみではなく、受け身にならない(23.8%)」でした。研修の学びを定着させるためには、主体的な参加が重要です。

・研修に求めるものは「スキルの向上に繋がる(39.0%)」「業務知識に繋がる(36.0%)」「研修中に双方向性がある(34.6%)」の3つが特に高い回答でした。若手社員は、現在携わっている業務に直結するもの、フィードバックなど双方向性を求めています。

調査結果詳細

◆研修形式の実施率は、対面が約7割、オンラインが約6割。入社前の研修にはオンラインが活用されている。

新型コロナウイルス感染症を境目として、オンラインの研修実施が一般的になりましたが、講義の場合、「実施したことがある(5回以上~1回の合計値)」は、対面は70.8%でオンラインは61.8%、グループワークの場合、対面は68.2%でオンラインは56.6%と、対面の実施率が高いという結果でした。

研修形式別に実施時期を確認すると、内定式〜入社までの間で、オンライン形式は「講義(36.3%)」「グループワーク(44.5%)」という回答で、いずれも対面の実施率より高くなりました。

入社前は、内定者一人ひとりの生活環境がバラバラなので、場所の制約が少ないオンラインの方が、研修実施においてメリットが大きいことがわかります。

◆研修形式別の満足度は約6割程度。研修に不満を感じるポイントは「自分の実務に役立つのかわからない(41.0%)」が最多。

研修の満足度(「とても満足」と「やや満足」の合計値)について形式別に見ると、オンラインのグループワークが49.1%と低く、他は55〜60%内に留まり大差がありませんでした。

オンラインの場合、グループワークに期待される一体感や主体性が得づらいため、参加者本人が研修に入り込めるような工夫が必要になります。

研修で不満を感じるのは「自分の実務に役立つのかわからない(41.0%)」が最も多く、「拘束時間が長い(25.2%)」「講師が単調でつまらない(24.0%)」と続きました。

参加者は、研修に対して実務に直結するスキルを求めていることが読み取れます。

◆定着度が最も高い研修テーマは「コンプライアンス関連(76.7%)」。形式別だと対面の方がオンラインより1割程度高い。

研修の定着度(「しっかり定着している」と「まあまあ定着している」の合計値)をテーマ別に確認すると「コンプライアンス関連」が76.7%と最も高くなりました。入社間もない頃から法令遵守の意識が高くなっていることが伺えます。

また研修形式別では、講義・グループワークいずれも対面が6割、オンラインが5割前半と、対面の方がやや定着度が高いという結果になりました。定着度が最も低いのは「eラーニング/動画学習(51.4%)」でした。

◆研修が業務に役立った理由は「研修の目的がはっきりしている(30.0%)」が最多。次点に「実務に直結している(24.8%)」

研修が業務に役立ったポイントの上位3つは「研修の目的がはっきりしている(30.0%)」「実務に直結している(24.8%)」「座学のみではなく、受け身にならない(23.8%)」という回答でした。

研修で学んだ内容を定着させるためには、「参加者が事前に目的・ゴールを理解しているか」がポイントになります。

研修効果が高い状態とは、参加者が研修で得た学びを実際に現場で活かせることです。研修のゴール設計の段階で、翌日からの業務に活かせる内容、自発的に取り組める内容を盛り込むことが定着度を高めるカギになるでしょう。

◆研修に求めているのは「スキルの向上(39.0%)」「業務知識(36.0%)」「双方向性(34.6%)」

研修に求めるものは「スキルの向上に繋がる(39.0%)」「業務知識に繋がる(36.0%)」「研修中にフィードバックがもらえるなど、双方向性がある(34.6%)」の3つが特に高い結果となりました。

実務に直結するスキルを求めると同時に、研修の中で、講師と参加者あるいは参加者同士での活発なやりとりを実践すれば、意欲を高められるでしょう。

若手社員が受ける研修について、対面かオンラインかという形式別の差異は大きくありませんが、「オンラインでのグループワーク」の効果を高めるには、講師のスキルや双方向性など設計において主体性を持つための工夫が必要です。

満足度や定着度の回答結果からは「参加者が、実務に役立つと認識できているかどうか」で研修効果が変わってくることがわかりました。研修の学びを最大化するには、実務に直結するゴールを示すと同時に、研修内で双方向性を持たせるなど楽しみを盛り込むことが重要だと考えられます。

【調査概要】

調査方法:インターネットリサーチ

調査対象:社内外で研修を受けたことがある入社1~3年目の会社員、全国の20代男女

調査時期:2023年10月10日〜15日

回答数:500

本データの利用について

1 データは自由にご利用いただけます。

情報の出典元として、「あそぶ社員研修株式会社IKUSA調べ」と明記してください。

2 出典元として、以下のURLへのリンクを設置してください。

  https://asobu-training.com/